――――――――――――――― 演技科目 [ 第 1 区分 ] ――――――――――――――
T-4 ブルーインパルスの飛行展示です。イヴュマーは迂闊にもデジカメのバッテリを既に切らしていたので、これらブルーインパルスの動画撮影はすべてふじ丸さん におまかせで、肉眼で気楽に全天の大空に描かれるアクロ飛行の軌跡を眺めていました。人様に撮っておいてもらってナンですが、カメラのフレームに切り取られた映像では、実際に T-4 の演技を観た感動の百分の一も伝えられないと思います。実際プロの撮影した T-4 ブルーインパルスの LD / DVD で全演目のおいしいとこ取りの映像を何度か繰り返し見たクチですが、あまり面白い見世物だとは感じてなかったんですよ。だけど本物をこの目で見て目から鱗が落ちるように途端に感激してしまいました。とくにダイアモンド隊形でほとんど翼や胴体が重なり合うほどの密集隊形(*)でほんのすぐ目前を緩旋回しているのを観て「ヤツらはクレイジーだ」とマジで思ってしまいました。万一接触したりしたら 4 機すべてが一瞬で火ダルマであることは明白です。でも観衆の目前で行う演目である以上は、ある程度の安全マージンをとって飛行しているわけで、まさに神業と言えますね。
(*) ファンブレイク というタイトなダイアモンド隊形で会場前を緩旋回する演目らしいです。残念ながら撮ってないんですよ (T T)。でもあのインパクトは凄かったです。イヴュマーがアクロにハマった瞬間でもあります。9/26 の百里は辺鄙過ぎるので 10/3 の浜松にでもサンダーバーズと T-4 ブルーを観に行こうかなあと思っています(後日注 : 残念ながら 10/3 の浜松エアフェスタは雨に祟られてアクロは全面中止になってしまいました…ウェブのピンポイント予報ではどこも浜松は降水量 0mm だったのに…お天道様には勝てんわ)。
ところで、キネマ旬報社刊 「青空少女隊 パーフェクトファイル」 掲載の浜松基地の日暮三佐のインタビューによると、T-4 をアクロに使う上での欠点は「まず、音が静か。」だそうです。迫力がないしアフターバーナーもついていません。しかし T-4 は離散後の再結集がすばやく、T-2 ブルーのような演目ごとの待ち時間がかったるいという点では大幅に改善されるとか。僕は残念ながら T-2 ブルーを観たことがなかったので比較できませんが、確かに T-4 ブルーは演技が終わって散り散りに視界から消えたと思ったら正面から突如として編隊が現れるといった印象で退屈する間もなく半時間ほどの飛行展示に魅入ってしまいました。
台風の影響で曇天だった昨年の航空祭 の、低くたれこめた雲の下をただなんとなく飛んでいるだけといった T-4 ブルーに興味がわかなかったので、どれがどういった演目なのかとかほとんど勉強不足だったし、事前に技の知識が頭に入っていなかったので、見世物の演技としてではなくヒコーキゲームの戦技機動(インメルマンターンとかスプリットSだとか、バレルロール、テールスライド、ローリングシザース等)しかわからないものでして、ブルーインパルスの熱狂的ファンだったわけでもなく、最強の機動力と運動性を生まれながらにして持っている戦闘機でもない中等練習機による航空ショーというものをイヴュマーが心から楽しめるものかどうか甚だ疑問だったのですが、百聞は一見にしかずといったところでしょうか。本当に楽しいひとときでした。
ブルーインパルスの撮影は
ふじ丸さん にすっかりおまかせでしたが、予備知識の無いままぽかんと魅入っているだけでは飽き足りず、ネットやムック等を参照して実際にこの目で観た光景がどの動画でどの演技課目なのか調べて配置してみました。好きになったらもっと知りたい理解したいというのが人情でしょう。そういうわけで多々の誤謬と演目の撮りこぼしを含むとは思いますが、動画と簡単な解説 / 雑記を並べてみます。バーティカル キューバン 8 を含むことから、展示飛行課目 [ 第 1 区分 ] と仮定して、7月25日の松島基地の航空祭で変更された新演技課目を追加して記述しています(新演技課目名は
赤文字 で表記しています)。
今回の千歳基地航空祭で実施された演技課目に関しては、
青空工房 Sky Factry の
千歳基地航空祭 詳細レポート を参照しています。演技課目内容に関しては主にイカロス出版刊 「ブルーインパルス パーフェクトガイド」 及び 川重岐阜サービス刊 「Blue Impulse GUIDEBOOK 2004」 を参照 ・ 一部引用しています。その他、東芝EMI の LD 「THE HISTRY OF BLUE IMPLUSE」、小学館プロダクションの DVD 「Blue Impulse The 50th ANNIVERSARY of JASDF」を参照しています。この点につきましては、この場をお借りしてサイト著作者 ・ 出版社 ・ ビデオソフトメーカーにお詫びとともに多大なる感謝の念を表したいと存じます。
なお、
ふじ丸さん の光学 10 倍ズームのデジタルスチルカメラ
OLYMPUS E-100RS による動画撮影は QuickTime の mov ファイルで約 4MB で転送キャッシュ容量の限界となり、一旦撮影が中断してしまいます(イヴュマーの光学 3 倍ズームのデジタルスチルカメラ
SONY DSC-P10 の動画撮影ではそのような制限は無いのですが MPG 動画撮影中にズーミングが行えないところが致命的です)。したがって演目の途中から撮影が始まったり途中で撮影が終わってしまっている箇所がありますのでご容赦ください。同演目中に 2 度撮影が行われた際にはムービーデータを編集して 1 本にまとめています。なにぶん
ふじ丸さん もイヴュマーも航空祭慣れしていないもので不備につきましてはご意見ご指導のほど宜しくお願い致します。
[ 1 ]
ダイアモンドテイクオフ
& ダーティターン
Diamond Takeoff
& Dirty Turn
( 1, 2, 3, 4 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 24sec
転送サイズ : 946KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4 番機が
フィンガーチップ隊形 でテイクオフし、直後に 4 番機がスロットの位置に移動して
ダイアモンド隊形 になり、ギアダウン(着陸灯を ON ) / フラップダウンのままで 270°ターン
してローパスを行います。約 180 ノットという低速での旋回性能を見せます。ギリギリの低速で旋回できることは旋回時の飛行エンベロープが極めて広いことをアピールしています。
肝心のテイクオフの模様は人垣で全く見えませんでした。脚立か踏み台さえあればよかったのですが。当演目の
ダイアモンド隊形 はさすがにテイクオフ直後の為か多少の距離をとっています。ファン ブレイクのような無茶な超密集隊形ではないようです。
[ 2 ]
ローアングルテイクオフ
& ハーフロール
Low Angle Takeoff
& Half Cuban
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 24sec
転送サイズ : 885KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5 番機と 6 番機のデュアルテイクオフです。5 番機は 6 番機が上昇後も超低空でギアアップ、ランウェイ上を水平飛行、ランウェイエンド付近で突然急上昇し、ハーフキューバンでテイクオフ時と逆方向にロールをうちながら抜けていきます。
残念ながら演目のテイクオフ部分は人垣でほとんど見えませんでした。動画はループを行って逆方向に飛行してきたところからです。ハーフキューバンと単なるインメルマンターンは要するにどこが違うのでしょうか?よく似た機動に思えるのですが?…にしてもアクロってテイクオフからサービス過剰です。
[ 3 ]
ロールオン テイクオフ
Roll on Takeoff
( 6 番機 )
5 番機と 6 番機のデュアルテイクオフです。6 番機はテイクオフ直後、ギアを降ろしたままで右バレルロールを行います。テイクオフ時の速度は 170 ノット、上昇ピッチは 25°と低いです。
[ 2 ] と同じく残念ながら低い高度での演目は人垣で見えませんでした。今度こそハーバーランドのコーナンで買った
両面式踏み台 KAF-06 ( 2 段式・天板面高 58cm・アルミ製・重量 1.5kg)を持って行きます。ベトナム製で税込み \980- です。
[ 4 ]
ファンブレイク
Fan Break
( 1, 2, 3, 4 番機 )
1, 2, 3, 4 番機がダイアモンド隊形で会場横から進入、大きく旋回しながら超密集隊形で背中を見せつつ会場を抜けて行きます。演目中はスモークは焚きません。
当演目での
ダイアモンド隊形 の密集度ときたらもう、ほんのちょっと高度差をつけて主翼と隣の機体とが接触しているかのようにすら見えます。イヴュマーが最初に認識してビビッてぞっとしたシーンです。空自のアクロは安全な演目ばかりで面白くないと聞いていたのにマジでこいつらクレイジーだと口にしてしまいました。ほんの目と鼻の先を 4 機の T-4 の背中がゴオオーッと通り過ぎていく感じでそれはもう凄い迫力です。今度動画や連写スチルを撮るならこのポイントですね。
[ 5 ]
4 ポイント ロール
4 Point Roll
( 5 番機 )
5 番機ソロで、会場横から進入して、ロールをうち、 90°ごとに止めてキレのよい 1回転ロールを見せます。ランウェイ上空で 4 回の 90°ロールを行って元に戻ります。
撮れていた素材の中で 4 ポイント ロールがあったと思ったのですが記録時間が前後するので [ 10 ] のスローロールらしいと思われました。あっという間だったので見逃してしまったような気がします(ゴメンなさい)。4 ポイント ロールはもともとフランスのダッソー
ラファール が航空ショーで行っているのを見て Su-27系のアクロにも取り入れられただとかパイオニアの傑作 LD「Ram-K」のコメンタリーで言っていたように憶えています。なお、 "Ram" というのはソビエト社会主義共和国連邦の健在時、モスクワ郊外のラメンスコイエ試作航空機テストベースにちなんでつけられた NATO(北大西洋条約機構)暫定コードで、LD「Ram-K」発売以前からソ連新鋭機として Ram-J = Su-25 "フロッグフット" の原型機、Ram-K = Su-27 "フランカー" の原型機、Ram−L = MiG-29 "フルクラム" であったということは既知情報であり、ソ連ゴルバチョフ大統領(当時)のグラスノスチ(情報公開政策)によって Su-27 を米国本土に招聘してスホーイ設計局擁するソ連の英雄、ビクター・プガチョフ自らの操縦によるアクロ飛行の模様が収録されています。
[ 6 ]
チェンジオーバー ターン
Change over Turn
( 1, 2, 3, 4, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 28sec
転送サイズ : 1,051KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1 〜 4番機+6 番機が
トレイル隊形 で右から進入し、ランウェイ上空で右旋回を開始すると同時に大きな
デルタ隊形 に移行し、水平に 360°旋回を行って左側に抜けます。最初の
デルタ隊形 では一辺が 110m 程度と大きく、旋回中に各機が次第に間隔を詰めて一辺約 40m 密集した
デルタ隊形 に移ります。
トレイル隊形 からすばやく広く散って、
デルタ隊形 に集結するところがポイントです。
カメラマンである
ふじ丸さん の「うおお、どいつを撮ればええんだー」というコメントでわかるように
突如として大きく
デルタ隊形 がひろがっていきますが、カメラはきっちり編隊長機を追って最終的
には密集した全機をフレームインさせています。この動画の後、密集した
デルタ隊形 は水平に
360°ターンして会場左側に抜けていきます。隣のイヴュマーがまたしょうもないことを話しかけているようですが幸いマイクには拾われていなかったようです。
[ 7 ]
インバーテッド &
コンティニュアス ロール
Inverted &
Continous Roll
( 5 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 22sec
転送サイズ : 891KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5 番機ソロで会場左側から進入し、180°ロールの背面飛行でランウェイ上空を通過、エンド部分
で姿勢を元に戻してすぐに上昇しつつ連続で左ロールを 3 回うちながらスプリット S でランウェイ
上空に戻ってきます。
背面飛行に関しては
背面飛行と翼型 及び
なぜ飛行機は飛ぶのか:第2章 等がストレンジな
リアルで面白いので是非ご参照ください。ほんのかじった程度でも翼の揚力発生の原理の説明を聞いた人ならばちょっとしたショックを受ける筈ですから。
スプリット S はハーフロールして背面になり、下方にループして任意の方向(進行方向と逆方向等)に針路を変える基本機動です。背面になってループを行うのは、ヒコーキというものが大きなプラス G には耐えられても過大なマイナス G には耐えられないように造ってある構造物だからです。これは人間が生理的にプラス G に対してはある程度の耐性がある為です。現在のところヒコーキは人間が乗って操縦するものですから、おのずと人間の生理的限界に制限されます。
[ 8 ]
レイン フォール
Rain Fall
( 1, 2, 3, 4, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 0.6sec
転送サイズ : 47KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4 番機 + 6 番機が
デルタ隊形 で会場正面から進入し、ループを行って真下を向いたところで 5 機が 5 方向に分れます。1 番機は会場の真正面、右手に 2 機、左手に 2 機という形で会場正面から向かってきます。1 番機に対して 2, 3 番機は 20°外側、4, 6 番機は 45°外側に向かって編隊を開くことになります。
一瞬しか撮れていませんが、一見 下向き空中開花 "Bomb Burst, Down Ward " に似ています。
『過去に T-2 ブルーがこの演目を実施中に一機が引き起こしに失敗して墜落するという事故があったため、現在では禁止されている。』 『』内はキネマ旬報社刊「青空少女隊 パーフェクトファイル」より引用。同様の演目にも見えますが T-4 ブルーのレインフォールでは充分高度をとっているようです。下向き空中開花と比べてどう違うのかというと引き起こしが緩いとか微妙なのですがまったく別の演目であり、 " 安全 " ではあるのだそうです。こちらの方が迫力があるとの意見もありますが、僕自身、本物の下向き空中開花を観たことがないのでなんとも言えません。
[ 9 ]
バーティカル
クライム ロール
Vertikal Climb Roll
( 5 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 13sec
転送サイズ : 521KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5 番機ソロで左側から進入し、ランウェイ上空で垂直に急上昇しながら右ロールを 4 + 1/4 回行いながら空高く抜けていきます。
4 ポイント ロールと違ってらせん状にスピンドルオイルのスモークを残しています。まるでドリルみたいですね。まっすぐに飛行しながらのロールは複雑な操舵が必要になりますが 、単にスロットル全開でスティックを(右斜め下?)倒すだけすとこのような小径のバレルロールのようなロールになるのかもしれません。ロール径を小さくしながらの調整も難しいものかもしれませんが。
[ 10 ]
スロー ロール
Slow Roll
( 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 7sec
転送サイズ : 274KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
6 番機ソロで左側から進入し、ランウェイ上空で約 10 秒かけて右に 360°ロールします。地味に見えますが、複雑な操舵が必要な難易度の高い演目です。飛行高度は 300 フィートです。
前半部分を撮りこぼしていますので、背面になってからの動画になります。スモークを切ってからの切り返しの鋭い左ロールは演目完了後のサービス機動でしょうか。
まっすぐゆっくりと飛行しながらの 360°ロールというのは、これがマイルドな設定のヒコーキシミュレータ風シューティングゲームならばスティックを横に倒すだけで簡単に実現できるのですが、実際の航空機の場合はエルロン(補助翼)で機体を傾ける(ロールさせる)だけで(左と右で違う値で)揚力と抗力が増減し、高度と速度を失います。これをまっすぐに等速で飛ばすにはラダーを踏んでこじらせながらの微妙なスロットルワーク(推力の増減)を要するものと思われます。 故にこの一見なんでもない機動が "技" にさえなるのだと思います。
[ 11 ]
チェンジオーバーループ
Change Over Loop
( 1, 2, 3, 4 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 31sec
転送サイズ : 1,182KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
実はこの動画、
ダイアモンド隊形 のループの頂点で一時撮影が停止した素材を適当につないでいます。カメラの最長動画転送容量の制限(約 4 MBちょっと)という仕様の為ですが、不自然なところはご了承願います。カメラマンの
ふじ丸さん は先の [ 6 ] チェンジオーバーターン撮影の際に
デルタ隊形 に大きく広がってフレーム内に収まらないほどになったことを警戒してか、ワイド側にズームして隊形の組み換えを撮影し、密集隊形の演技であることを確認するとすかさずテレ側にズームして撮影しています。イヴュマーのカメラでは連続動画撮影は可能ですが、撮影中にズーミングできないのはキビシイところです。デジタルスチルカメラのオマケ機能なのでしかたがないといえばそれまでなのですが。やっぱりデジタルムービーカメラが欲しいですねえ。
[ 12 ]
ハーフスローロール
Half Slow Roll
( 5, 6 番機 )
5, 6 番機デュアルソロで会場右側から
アブレスト隊形 で進入し、ランウェイ上空で隊形を維持したままゆっくり右ハーフロールをうって背面飛行を維持します。会場正面で 2 機はすばやく左に 270°ロールをうって会場左側に抜けます。
図によると
アブレスト隊形 で真横に並んだまま僚機との各主翼端中間点を中心線にしたロールということで、どのような操舵をすればできるのか見当もつかないのですが、5 番機と 6 番機ではかなり違った操舵が必要になるものと思われます。イヴュマーの知識程度ではヒコーキの機動とは思えないような移動のしかたですが、編隊を組み替えたり編隊をピタリと組んだままターンをする他の演目の基礎ではあると思います。内側では失速寸前の低速でゆっくりと、外側では誰よりもすばやい速度で占移することが求められるわけであり、その複雑な技の片鱗を抽出して見せてくれる演目であると思います。
[ 13 ]
レター 8
letter 8
( 1, 2, 3, 4 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 31sec
転送サイズ : 1,182KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3 番機が
ダイアモンド隊形 で会場後方から進入し、右 2G 旋回を開始すると同時に、4 番機は左に最大性能で360°旋回します。その後、1, 2, 3 番機が 360°旋回を終えるまでに 4 番機は旋回の内側を飛行し、再び
ダイアモンド隊形 に合流します。スピンドルオイルの曳くスモークの航跡が 8 の字になるのでレター 8 といわれます。
スモークが短く散った為か、時間がかかった為か、じっくり航跡を追っていないと何をやっているのかわかり難い演技科目です。ムービーをつないでも 3 機 と 1 機が左右に分かれて旋回し、何気に飛んでいるうちに 4 機が再び
ダイアモンド隊形 になっていく様子しかわかりません。
ダイアモンド隊形 の後尾(スロット)の 4 番機は 『地獄のスロット』 といわれ、先頭の 1 番機のジェット噴流をもろにあびたり、多くの演目で他機より大きく速く機動することを要求されたりするので、もっとも腕の立つパイロットが務めます…といっても編隊長機である 1 番機が横すべりなどせず安定して飛んで他機を導いていればこその話で、1 番機のパイロットにも 4 番機に負けず劣らず相応の技量が求められます。
[ 14 ]
オポジット
コンティニュアスロール
Opposite Continuous Roll
( 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 5sec
転送サイズ : 208KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5, 6 番機のデュアルソロで、ランウェイ左右両方向から来た 2機の T-4 がロールをうちながら ヘッドオンですれ違います。
あらかじめ高度差をつけているので設定された高度通りに両機が飛行すれば正面からすれ違うことも容易いかもしれませんが、ロールをうちながら一定高度を保つのは相応に難易度が高いのでかなりスリリングな演目に思えます。
カメラは 1 機の方だけを捉えるしかないので、すれ違ったもう 1機は一瞬で消え去ってしまいました。もっとひいて撮っていればよかったのかもしれませんが、結果的にはすれ違った瞬間が迫力があり大きく撮れたのでこれでよかったかと思います。
[ 15 ]
4 シップス インバート
4 Ships Invert
( 1, 2, 3, 4 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 4sec
転送サイズ : 192KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4 番機が会場右側から
ダイアモンド隊形 で進入し、ランウェイ上空でまず 1, 4 番機、次に 2, 3 番機が右 180°ロールをうって背面飛行に入り、背面の
ダイアモンド隊形 の状態で飛行し、また右 180°ロールをうって元の状態に戻ります。
残念ながらロールをうって背面に入り元に戻るシーンは収録できませんでしたが 4 機の T-4 が背面飛行している様子は撮影されています。しつこいようですが、背面飛行に関して
背面飛行と翼型 及び
なぜ飛行機は飛ぶのか:第2章 とか面白いので流し読みされることをお勧めします。
[ 16 ]
バーティカル ビッグハート
& キューピット
Vertical Big Heart
& Q-Pit
( 4, 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 26sec
転送サイズ : 992KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5, 6 番機が
アブレスト隊形 で会場後方から進入して、そのまま垂直上昇し、2 機の T-4 は 90°ロールで左右に分離し、大きなハートをスピンドルオイルのスモークで描くようにループをして、
ハートを描き終えると各機はランウェイ両方向に抜けます。その間、4 番機が会場後方から進入し、上昇しながらハートの真ん中を突き刺すようにスモークの矢を描きます。
ハートを描き終わって、スモークの矢がハートの中心でスピンドルオイル噴射を停止したところで演目終了とみたのか一旦撮影を停止し、再び矢がハートを射抜くようにハートの外側に向かって矢を描いたところを撮影しています。動画はただグラデーションワイプでつないだだけなので 4 番機がハートの外側まで瞬間移動したようになってしまっていますが、実際はしばらく 4 番機はスモークをとめて上昇飛行し、ハートの外側からスモークを再開し、完成形となっています。
このハートは大きく美しいのですが、矢に完全に射抜かれる頃にはかなり散ってしまうのは少し残念です。地上でも相応の強風でしたので上空でもかなり風が強かったのかもしれませんし、スモークの残留時間としてはこんなものかもしれません。
場所の違った視点から観たならば垂直に切り立ったハートとは接してはいないであろう 4 番機のスモークの矢が、会場方向からの視点で観るとちょうどハートの中心点と外郭線でピタリと一致していますが、事前の綿密な航路算出と日々の厳しい練成の賜物でしょう。
[ 17 ]
ライン アブレスト ロール
Line Abreast Roll
( 1, 2, 3 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 17sec
転送サイズ : 668KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
ゆったりとしたロールで地味な演技です。しかしながら
アブレスト隊形 は他の隊形では編隊長機を容易く視認できますが、編隊長機を前方視界に捉えられないまま真横に並んで美しい編隊飛行を維持して飛行しているわけで、とても難しいことだと考えられます。列戦部隊の ACM 訓練などでは一般に編隊長機を視認し易い
フィンガーチップ隊形 を多く見受けます。
[ 18 ]
360°ターン & ループ
360°Turn & Loop
( 5 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 48sec
転送サイズ : 1,682KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5 番機がランウェイ右から進入し、正面で 360°ターン(水平旋回)を行った後、すぐにループ(宙返り)に移ります。ターンとループの開始、終了位置はほぼ同じです。
ターンはエルロン旋回の際の揚力 / 高度の低下に気をつけていればよいのですが、正円に近いループを描くには姿勢によって刻々と変わる重力の向きに対応してスラスト出力(推力)を適正に増減し、スティックのひき具合の微調整の制御を会得する必要があります。
[ 19 ]
ワイド トゥ デルタ ループ
Wide to Delta Loop
( 1, 2, 3, 4, 6 番機)
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 23sec
転送サイズ : 938KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4, 6 番機が広がった
デルタ隊形 で会場後方から進入します。広い隊形のままループに入って、ループしながら
デルタ の間隔を詰めていきます。最初の
デルタ の 1 辺は約 230m で、最後には 1 辺 60m の
デルタ隊形 になります。
カメラの転送容量の都合上またもループの頂点付近で無理矢理つなげています。美しく収束していく部分が大幅に欠損しているのは残念ですが見逃してやってください。特筆すべき操舵技術は見当たりませんが編隊のループは相応に見栄えのする演技科目だと思います。
[ 20 ]
オポジット トライアングル
Opposite Triangle
( 1, 2, 3, 4, 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 7sec
転送サイズ : 403KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4, 5, 6 番機が
デルタ隊形 で飛行し、途中から 2, 3, 4 番機が背面飛行になり、間隔を詰めていきます。
新演技科目らしいです。資料も無くて動画もヒキで時間もあっという間でよくわかりません。どうもスミマセン。
[ 21 ]
デルタ ロール & ボントン ロール
Delta Roll & Bonton Roll
( 1, 2, 3, 4, 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 14sec
転送サイズ : 593KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4, 5, 6 番機が密集した
デルタ隊形 でランウェイ右側から進入し、全機で大きなループを描きます。
次に同 6 機が飛び去っていったランウェイ左側から
デルタ隊形 で進入し、ランウェイ上空で 6 機全機が一斉にクルッとすばやくエルロンロールを行って、元に戻ります。
既成の演目を組み合わせた新演目です。動画はボントン ロールのみですがご了承ください。
しかしながらほとんどキレのいいロールのタイミングが決まっていて復元後に高度差や隊形がさほど変わらないのは見事です。といってもコピー & ペーストしたようなチープな CG っぽくもなくてほんのビミョーな同期のバラつきが手描き作画のようなリアルでカッコいいです(アニメファン的視点ですね(苦笑))。個人的にはファンブレイクの次に好きな演目です。
[ 22 ]
サクラ
Sakura
( 1, 2, 3, 4, 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 24sec
転送サイズ : 911KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4, 5, 6 番機で 6 つの大きな水平の円を並べて描きます。5 つの水平な円ではどうしても五輪をイメージさせてしまうので、真ん中にもうひとつ円をおいて花をイメージさせています。
新演技科目です。小学館プロダクションの DVD 「Blue Impulse The 50th ANNIVERSARY of JASDF」のチャプター 5 : 『新課目(研究中)』において飛行班長より解説されていました。
遂にお披露目となった "サクラ" はワイド側いっぱい(35mm フィルム換算で焦点距離約 38mm)にしてもまったく収まりきらないほどのスケールで、大空一面に巨大な花が咲いていました。
[ 23 ]
バーティカル キューバン 8
Vertical Cuban 8
( 5 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 24sec
転送サイズ : 919KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5 番機がランウェイ右側から進入し、連続インメルマンターンを行い、続いて連続スプリット S を行って、垂直に 8 の字を描きます。
動画は 1機が右側から進入し、連続インメルマンターンを行って 2つ目のループの頂点に昇りつめる少し前から撮影が始まっています。頂点に昇るとそのまま スプリット S で反対側の円弧を描き、1つ目のループの頂点にきたところで 180°ロールをうって連続スプリット S を行うところまでが収録されています。最終的に垂直に 8 の字を描きますが残念ながらその映像は撮影していません。描き終わる頃にはスモークは多少散ってしまっていたかもしれません。なお、この機動には 6 〜 6.5 G くらいかかるそうです。
[ 24 ]
上向き空中開花
Bomb Burst, Up Ward
( 1, 2, 3, 4, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 17sec
転送サイズ : 702KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4, 6 番機が
デルタ隊形 で会場後方から進入し、5 機は垂直上昇に移り、上向き空中開花を行います。
やや会場から遠いところで開花したようで迫力に欠けますが安全上の配慮かもしれません。それに次の演目 [ 25 ] スタークロスの前フリ扱いでもあります。でもまあカメラマンの
ふじ丸さん が「オッケー」と言っているのでこれはもうオッケーでしょう。
[ 25 ]
スタークロス
Star Cross
( 1, 2, 3, 4, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 21sec
転送サイズ : 854KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
前演目 [ 24 ] 上向き上方開花で散開した後、1, 2, 3, 4, 6 番機はそれぞれの方向からスプリット S で降下し、5 方向から再び会場に進入して全機が中心の 1 点に向けて、それぞれ右 15°の針路を飛行し、水平の五芒星(ペンタグラム ・ ☆形)を描きます。
T-4 ブルーインパルスのオリジナル演目です。その大きさにはカメラマンの
ふじ丸さん も撮影に苦慮していますが、本当に空いっぱいの星には圧倒されます。また、五芒星は 5 本の直線のみで作画できてしまうことに改めて気づかされます。前述しましたが、203SQ の 空自 50 周年記念塗装の垂直尾翼といい、札幌市章、北海道庁、サッポロビールと、北海道と五芒星にはなんらかの因縁があるようです。ところで新演目の [ 22 ] サクラは雲底の低い気象条件の際にこのスタークロスに代わるものとして考えられた水平系の演目だそうですが、第 1 区分では両演目ともに実施されています。
[ 26 ]
タッククロス (パターン 1 )
Tac Cross ( I )
( 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 19sec
転送サイズ : 773KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5, 6 番機が会場正面から
アブレスト隊形 で進入し、2 機同時に背面になり、同時に双方が逆方向へ 270°ロールをうってクロスターンを行います。その後、ランウェイの両方向で上昇しながら 2 回半ロールをうってスプリット S で降下、ランウェイ上左右から背面でヘッドオン、すれ違った瞬間、2 機はロールして会場後方へ抜けます。
動画は 2 回の交差ショットのみです。演目のコースが複雑で針路が突発的で予測し難い為にヒキ気味の動画で、肉眼で観て感じたような迫力が伝わらないような気もします。他の演技科目の図解と比べても複雑な航跡で追尾するのは難しそうですが、もっとテレ側で撮影されていたならかなりスリリングな映像が撮れたのではないかと思います。
[ 27 ]
ローリングコンバットピッチ
Rolling Combat Pitch
( 1, 2, 3, 4 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 24sec
転送サイズ : 968KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
1, 2, 3, 4 番機が
レフト エシュロン隊形 で進入し、緩い上昇をしながらゆっくり右ロールを開始、
その最中に 1 番機から順に 1 機ずつ強い右ロールをうってそのまま左旋回、180°ターンして
1 機ずつ縦 1 列に並んだ着陸間隔の態勢に移行します。
通称ロリコンと呼ばれる F-86 ブルー時代からの日本独自の伝統的なブルーインパルスのトリの演技科目です。コンバットピッチは元々戦闘状況下でより速く着陸する為のテクニックで、ランウェイ上空に進入後、一旦高度と速度がある程度まで落ちたところで上昇旋回、ピッチを引き上げて一気に減速します。ローリングコンバットピッチは編隊の各機がロールをうちながら、次々とこのコンバットピッチを行います。
[ 28 ]
コークスクリュー
Cork Screw
( 5, 6 番機 )
要 Windows Media Player
再生時間 : 約 16sec
転送サイズ : 699KB
転送レート : 273Kbps
フレームレート : 15fps
画像サイズ : 480x320
5, 6 番機が会場ほぼ正面から
アブレスト隊形 で進入し、5 番機は右ハーフロールで背面飛行に移って直進します。6 番機は 5 番機の回りを右バレルロールで 3 + 1/2 回スクリューのようにらせん状に回ります。回り終わると同時に 2 機は通常飛行で左ターンして会場後方に抜けて、着陸態勢に移行します。
T-4 ブルーインパルスオリジナルの大トリのデュアルソロの演技科目です。派手でカッコよくて非常に絵になりますね。個人的には 3 番目くらいに好きな演目です。動画データにざっと目を通しただけで演目名との関連づけを調べてみるまでは、てっきりクロスオーバーロールか何かだと思い込んでいました(恥)。いやホラ実際機動は似てますし。