2003年 11月25日(木)
ハセガワの 1/48 三菱 F-2A をモデルアート12月号片手に仮組みに気持ち半分だけとりかかる。当キットを購入したアクセルワークに迷彩の境界にボカシが必要かどうか質問したとき、『結論から言えばクッキリしてますね』という返答とともにちょうど今月号に作例と実機写真資料が載っていますよ、とのことで紹介されたのがモデルアート誌だった。"スケールモデル総合情報専門誌" を謳うだけあって僕なんかの立ち回り先のヲタ系書籍売り場などではほとんど目にすることのない模型誌である。唯一接点があるとすれば当のアクセルワークなのだが売り切れとのことで(模型店に置いてある書籍なんてのは常連客が決まっているものだ)一般向け書店のジュンク堂にて入手した。で、要件の境界のボカシだが、この目で実機を(相応に距離があったが)じっくり眺めて写真を撮りまくってきた僕が確証を持てないというのも恥ずかしい話なのだけれども、自分の記憶でも写真でもなんとなく境界は滲んでいるような印象があり、キットのパッケージアートでもギリギリでクッキリしてないんだけど、完成品写真ではやたらクッキリしてて違和感あったんだよな。実機の塗装がどのように行われるのか、スプレーなんだかハケなんだかは知らないのだけれども一部微かに滲んでいてもおかしくはなくて、だからといって縮尺模型ならばクッキリとした境界線でも(翼後縁がカミソリなみに鋭くはないように)間違いではなく…でもやっぱ型紙浮かせて塗ろうとか目論んでいる(フリーハンドの細吹きで描くなんてのは僕には無謀キャプテンなのである)。あ、1/48 三菱 F-2B の広告の完成品写真はなんだかボンヤリしている。やはりこれくらいのボカシが自然に思えるので目標とする。 で、ドロップタンクとかは本体が完成したあとの残務処理みたいになるのもヤな気がしたし、簡単に手が出るのも今のところそこらへんなので接着剤たっぷり塗って貼りつけてクリップではさんでおいた。このキットの僕にとっての問題点はたかだか二色迷彩のくせに使用する塗料の色数がやたらと多すぎることかもしれない。しかもそのわりにほんのちょこっとしか使わないのである。実機リサーチ結果に対する自信の表れかもしれないけど、混色による指定が無いってのは Mr.カラーの特色の色数の多さを物語っているのか、単なる割り切りなのかよくわからない(スケールエフェクトがあるから実機とまったく同じ色を調合したからってダメなのはわかるけど)。先進試作戦闘機や現用戦闘機を速攻でリリースしてくるイタレリ(日本代理店は田宮模型)の製品のようにタミヤカラー(エナメル / 水溶性アクリル)指定などではなく GSIクレオスの Mr.カラー(もしくはすべての指定色を網羅してはいない?水性ホビーカラー)指定なので、逐一読み替えしなくてもいい点では助かる(Mr.カラー → タミヤカラーの変換表ならあるけど逆の変換表は知らない)。イタレリ戦闘機キットの 3倍ほどの色数(スケール違うから当然?)で、ほとんど使ったことのない色ばかりで塗料のストックなんて無かったからハーバーランドへの買い物ついでに神戸スキヤキへ全色まとめ買いに行ったが、キット本体の(アクセルワーク価格の)およそ 2倍に値するその価格(他の塗料も買ったけど)にはいまひとつ釈然としないものがあったりした。後日不足分を買いにいったボークス神戸SRの方が塗料の価格は低いと判明して少し挫けそうにもなった。ま、専用別箱に収納された F-2A 用塗料でもおそらく余るであろう色は他の物件を塗るときにコッソリ拝借してたりするんだけれども。 そうそう、今までは気にしてなかったけど三宮で F-2A/B 探そうったってアクセルワークしかないんだよな。近場で僕が知る限りあとは新長田のライト模型くらいのものか(市内繁華街の逆の西へ向かうときはよほど目的意識がハッキリしてないと不毛なことが多い)。ごく近所の個人経営模型店が軒並み潰れて以来、ここ数年雨後のタケノコのように繁華街に開店したホビーショップってばボークスSRとかイエローサブマリンとかゲーマーズとか神戸スキヤキとかキャラクターモデル一色なのな。食玩戦車は売っててもそいつのスケールモデルが欲しいといったときに受け皿がまったく無いのである(そんな要望は無視していいレベルなのかもしれないけどさー)。ハセガワの VF シリーズは置いても同じくハセガワの三菱 F-2A/B は置かない。好調な売れ筋商品の筈なのに "スケールモデル" だから置かない。事実ハセガワは以前『 VF-1 は売れ線の現用戦闘機の10倍売れた』と公言していたのはこうしたスケールモデル取扱模型店の減少と大手キャラクターモデル専門ホビーショップの増加という流通形態の変化によるところも大きいのではないか(大阪の模型店にいけばスケールモデルも当然のように揃えてあるから神戸という一地方都市に限った話かもしれないが)。頑固親父の個人模型店でもない限り、何人もの従業員をかかえる店舗に売れないものを置く道楽などは許されないのが現実だ。神戸スキヤキでも最初は GUN やガレキなども置いてたけど誰も買わないので若干規模縮小して今の(ほとんど)ガンプラ専門店という体裁になったそうだ。流通している(捌けている)プラスティックモデルの9割方はガンプラだとか以前噂か冗談かで聞いたおぼえがあるけど、それがほんとなら商売としては開店以来修正に修正を重ねてきたありようではあるかもしれない(たとえば同人誌とかガレキとかいったマニア向け商品は大阪という大都市の専門店街でこそどこにでも揃っているブツだが、その一衛星都市でしかない神戸では取扱店舗は希少であり決して全ラインナップの揃うことのない商品であり、スケールモデルもまたマニア向け商品なのだということだ)。 …と、(F-2A 用に)GSIクレオス Mr.カラーを大量に買い込んでいた僕に話しかけてきたのは店員兼モデリングライターの人で、最近は色を塗ってくれる人が少ないのでちゃんと塗ってくれる人がいると嬉しいとのことだった。でも僕だってずっとマスターグレードなんかをパチパチはめただけの成型色ままの仮組みで満足して気が向けばシール貼って適当にスミ入れして遊んでそのうち愛着も無くなり雑多なオタク物件に埋もれて行方不明というケースがほとんどで、振り返ってみれば目立つ接合部のみ消して反転コバルトブルー&ホワイトに(筆で)塗った1/100 Vガンダムヘキサぐらいしかマジメにガンプラを組んだ覚えが無い(しかもバックパックつくってない…)。最近だと 1/220 ゼフィランサス フルバーニアン ver.Ka を組んだが、あれはガレキだからパチパチはめて組み上がるわけもなく、色分けされたパーツや成型色も無いのでマスキングして塗るしかなく…というやむを得ない事情と、まあ、純粋にキットの造形美に惚れたから、というのが正直なところ。模型にハンドピースをフルに使ったのも初めてだったし、スミ入れがぶっとい黒というのも今となっては気恥ずかしいところ。で、その人はショーケースのパワードジム(銅賞?)と SEED のオリジナル MS 3体の製作者だということで、うーん、やはりここは失敗だなぁとかこぼしていたけれど(おそらくパワードジムのオレンジの発色のくすみだと思われるが)妥協点が違うのでよくわからなかった。僕はスクラッチ経験はおろか改造やら修正すらやれる自信がないのでそれだけで尊敬に値するのだけど。僕的にはショーケースのステイメン(銀賞…だから何?)の清潔で緻密な仕上がりが好きだと言うと、最近は MAX塗りは排除されてきていますよ、とのこと。モデルグラフィックス読者の僕としては知らない間に流行っていて習得する間も無く廃れていくのかぁとか思ったけど(ウソウソ、習得する気はさらさら無いデス)。同じ MAX塗りでもホビージャパンなどの写真審査と電撃ホビーマガジンなどの現物審査では諧調のクドさを変える必要があるそうで、写真審査ならクド目に、現物審査ならアッサリと、という風にしないと諧調が写らず見えなかったりクド過ぎたりしてマズイらしい。僕はシェイドがうまく吹けたらカッコイイかなあとは思うけれども、グラデーションを用いず均一な色で塗ったモデルを一灯撮影したら自然な影が落ちていいカンジになるんじゃないのかなぁなどとも思っているので一向にテクが身につかない。安易なフラッシュ撮影や明るい店舗のショーケースのように四方に光源がある場合、均一な塗りは平板に見える可能性があるから、影やハイライトが(あくまでディフォルメとして)あらかじめ塗装で表現されているものの方が見映えがいいわけで、もうどこが光源やらわからない MAX塗りなる技法が一時期隆盛を極めたのもなんとなく珍妙な現象として頷ける。僕はホビージャパンなんてキットの素組みよりカッコ悪く改造してダサダサに塗装された作例と大量の広告ページのおかげでほとんど読むところが無い上に小さくてやたらと重い雑誌だと思っていたのでまったく眼中になかったのだが、HGUC デンドロビウム(未だに組んでない)を購入した際に参考の為に作例が載っている模型誌を軒並み買ったときに混じってて、MAX塗りなる未知のコトバとともにキミョーな塗り方をされたデンドロビウムの作例を目にしたのである。薄黒いエッジと蛍光色らしきラメ模様が混在する汚さにも驚いたが『面の膨張感』なる屁理屈は対象の正確な面構成を見失わせ若手ライター総動員のヒケ消し隊による平滑な表面仕上げを台無しにしているわけで随分と損な技法であるなあと思ったりした。ステイメンに一部旧キットを使用しているのは前月のモデルグラフィックスの作例予告(モデグラだけは作例発表がひと月遅れだったのである)の影響なのかな?バックパックのサーベルラック部分 → ドッキングラッチへの変形(てゆうか可動軸位置の変更)は他誌の作例では一切施されてないけど必須工作だなぁと感心したりはした(真似したいけどやり方までは触れられていない)。 この項、とりとめもないので唐突に終わる。 2003年 11月 6日(木) 9月の日記のゼフィランサス フルバーニアン特集を書いてる途中でデジタルスチルカメラを買い換えた。SONY Cybershot DSC-P10。SONY 帝国は競合他社との連携を好まない。VAIO で DVD-R に DVDビデオを焼いたとき散々な目に遭ったのでもう SONY 製(またはドライブの製造元のパイオニア製)の DVD-R しか買わないことにしている。ビデオドラマ制作時講師にお借りしたビクター製DVカメラではデジタル制御ができず結局アナログ取り込みになったので、将来 DVカメラを買うときはハンディカム以外買わないつもりである(…易々と帝国に屈していいのかという考えもあるが DVD-RW でデータのバックアップをとる際には他社製でも問題はなかった、というか DVDビデオも VAIO では見られるが SONY製 DVD プレイヤだとか SONY製プレイステーション2 で一部再生に支障を来たすのが配布上問題だったのだが…)。というわけで、迷わずサイバーショットである。他のメーカーの製品には目もくれず SONY ブースへ。もっと高機能でコストパフォーマンスに秀でた他社機種もあるのだろうけれども。あれこれと選ぶ手間も、あとで互換性に悩む手間もかからないので楽な選択である。知識や経験がないので SONY と心中というのも悪くない。 はじめはてっきり同じ 5メガピクセルの同スペック機である P92 の廉価版だと思っていたのだが P10 の方がバッテリのスタミナや途中充電が可能、P92 の電池電力揮発等の点で P10 の方が使い勝手がよいらしい。緊急時の電池駆動を考慮していない為かひとまわり小さく手になじむ感がある。ボディカラーは各種あるがシルバーはスタンダードでありきたりだし全部がブラックなのもヤボなのでディープブルーに。還元ポイントで 256MB のメモリースティック PRO と等価交換の原理。 下取り価格 350円のコニカのデジカメと比べるのもなんだが同じピクセル数でも圧倒的に画質や表現力が違う。おかげで9月の日記のゼフィランサス フルバーニアン特集の大部分の写真は撮り直しになった。 (欲しくなると困るので)最新電子機器事情に疎い僕だからかもしれないが、しかし P10 の機能はスゴイ。といっていちいち記述していっても他社製品と大差ないものだろうけれども…だが、遡ること十数年の昔、学生の頃に雑誌やカタログを読み漁って夢想するしかないような高級一眼レフにのみ許されていた機能を、この P10 はさり気にメニューの奥に隠し持っている。たとえば±いくつといった任意指定の露出幅の値を 3段階に変えて 3連写するブラケットだとか、切替可能なフォーカス範囲と測光モードだとか、蛍光灯下にも対応するホワイトバランスだとか、ま、長玉や超接写が必要でなければたいていなんでも撮れるんじゃないかなあ。拙い模型や、家で咲いた花、出先での家族の写真しか撮っていないけれども。 いまどきのデジタルスチルカメラの性能もスゴイが写真用のフォト用紙もスゴイ。Canon の最廉価版 4色プリンタで印刷したのでさほど期待していなかったがホントに写真のようなプリントができる。なるほど写真屋(現像・プリント屋)が困るワケである。母は玄関と店(旧母屋)とのそっけない廊下に A4 サイズの額縁に入れた花の写真を飾ることにして、東急ハンズでシンプルな額縁を買った…ついでに僕のも…。僕はとくに飾りたい写真も飾る場所もなかったが9月の日記のゼフィランサス フルバーニアン特集のときに撮った 2枚の写真を白い額縁に入れて階段の照明スイッチの上方に定置した。他人に見られたら相当に恥ずかしいが自分ではしばし眺めては満足している。 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